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何のために

風の子さんは、子ども達だけで森で遊ぶ日。

風の子後期第1回目。

どうして、あんなに張り切って「あれもやらな、これもやらな。」って思っていたんだろう?

新しいお友達が増えたからか?

子ども達と、もっともっとこんなことしたいという思いがあふれてくるからか?いやいや、そんなきれいな話ではなくて、助成金申請の内容に合わせた活動をしなくては、みたいなことも思っていたよね。完全に本末転倒だ。

 

大人の都合で(思いで)プログラムを決めて、それに合わせていくという保育にとことん嫌気がさした私は、枠を取っ払って森で保育を!と風のいろをはじめたのに。

 

「おイモを掘ってみんなで食べよう!」というテーマを設けていたこの日。

小さなおイモでも見つかると「あったー!」と歓声を上げて争奪戦のようにおイモをつかまえていく子ども達。ツルをひっぱってはがしていく子。幼虫が出てきてそれを眺めている子。バケツ係さんになって、みんなが堀ったおイモを集めてくれる子。

それぞれがお芋ほりに向き合っていた。

 

それなのに、だんだん時間が経つにつれて、時間が気になってきた私。おイモを掘って…掘ったら焼いもにして…食べて…ついでに、ゆでたおイモも作りたいし…お豆ももらったからゆでて…

そしたらお弁当をもべて、さらに絵の具で絵も描いて…と心の中がせわしなくなってくる。

そろそろ火を熾さないと!

あれあれ火がなかなかつかないって!急がなきゃ急がなきゃ…

湿気た薪からはモクモクと煙が上がり、子ども達が「見てー!あんなに高いところまで上がってる。」って、指さして教えてくれていた。それなのに、心の中では、急がなきゃ!って。一緒に煙を眺める余裕もない。

ちゃんと焼イモはできて、ゆでイモもお豆も出来上がって、ほっとしたのもつかの間。

 

さあさあ絵の具だ!と始める私。始めは様子見の子ども達が、少しずつ大胆に描いたり手形を押したりし始めたころ

何人かの子ども達が、少し離れたところで、何かを始めていたようで…

えー!それは、話さなきゃみんなで話さなきゃ。もうすぐお迎えだから、急いで絵の具を終わって話しなきゃ‼

 

とんでもなく慌てている私を見て子ども達はいったいどう思っていたのか。 

  

あー。月に1回しかないこの貴重な時間を。

なんてことだ。

 

そうだ。次回は私は何もしない。何もしないぞー!

 

子ども達は自分で遊びを見つけて動き出すのだから。